こんにちは。田中ひろし法律事務所です。
今日は先週に引き続き、傍聴についてです。
先週のブログで、裁判所は誰にでも出入りできるとご説明しました。
しかし、すべての裁判を誰でもが傍聴できるわけでは
ありません。
「せっかく行ったのに、傍聴できる裁判がなかった」
「見たい裁判があったのに傍聴できなかった」
といったことにならないよう、今日は、傍聴できる裁判と
傍聴できない裁判についてご紹介します。
まず、傍聴できる裁判についてですが、
原則として裁判は公開の法廷で行われることが
憲法(82条)によって定められています。
これは、国民の目に触れる場で行うことで裁判の公正さを
保つためです。
特に、
"政治犯罪"、
"出版に関する犯罪"、
"憲法で保障する国民の権利が問題となっている事件"
の裁判は非公開で行うことはできません。
ただし、世間を騒がせた事件など、傍聴希望者が多いと
予想される裁判の場合は抽選になることがありますので
注意が必要です。
抽選の情報については、裁判所のホームページで公開されています。
http://www.courts.go.jp/kengaku/botyo_koufu/index.html
地方の裁判所だとそもそも裁判の数自体が少ないことも
ありますが、東京の高等裁判所などは抽選で行われる裁判が
たくさんあります。
http://www.courts.go.jp/app/botyokoufu_jp/list?id=6
抽選ではずれてしまうと傍聴できませんので、
初めての方は抽選がなさそうな裁判を選ぶと良いかもしれませんね。
話が少しそれましたが、つまり、裁判が非公開となるのは
例外的な場合のみ、ということです。
例外的な場合とは、たとえば、当事者のプライバシーや
名誉を守るため、あるいは企業秘密を守るためといった目的で、
一部が非公開とされる場合です。
具体的には、性犯罪に関する裁判で被害者の保護を目的として
本人質問を非公開とするケースや、
営業秘密に関する当事者尋問を非公開とするケースなどですが、
たいていはその当事者尋問の間だけ傍聴人が退廷させられ、
当事者尋問が終わればまた入廷できるようになります。
裁判そのものが非公開となることはまずめったにありません。