こんにちは、田中ひろし法律事務所です。
先週、顧問弁護士について紹介しましたが、
最近増えている「組織内弁護士(インハウスローヤー)」との
違いについて少し説明しておきたいと思います。
組織内弁護士という言葉は一般にはまだまだ
耳にする機会は少ないですが、
企業や団体、官公庁や地方自治体などで
社員や役員、職員として働く弁護士のことです。
「それって顧問弁護士とどう違うの?」
とか
「じゃあ大阪市の橋下市長も組織内弁護士なの?」
といった疑問が聞こえてきそうですね。
顧問弁護士の場合、弁護士自身は法律事務所などに所属しているので
同時に複数の企業を受け持つことができます。
(滅多にありませんが、自分が顧問弁護士をしている企業同士で
トラブルになり、両方から同時に相談される...なんてことも
ありえます)
これに対し、組織内弁護士はその組織に雇われているので、
その組織の専属弁護士ということになります。
また、弁護士資格を持った人が組織内で働いていても
法務の仕事をしているのでなければ「組織内弁護士」とはいいません。
橋下市長は「弁護士資格を持っている市長」ということですね。
現在、日本には約35000人の弁護士がいますが、
このうちの多くは弁護士事務所で働いています。
組織内弁護士は1000人ですから、全体の3%程度です。
ご想像の通り、アメリカなどにはもっとたくさんの
組織内弁護士がいます。
日本の企業もアメリカ式の体制をとるところが
多くなってきていますから、今後は組織内弁護士も
どんどん増えてくることが想像できますね。
実際、実はこの10年ほどで、組織内弁護士の数は
10倍ほどに増えています。
組織内弁護士を抱える企業の顔ぶれも、
10年前は外国系企業の日本法人が多かったのが、
最近は日本の銀行や商社、メーカーでも
複数人の弁護士を採用するところがたくさん出てきています。
近い将来、同じフロアで弁護士と机を並べて仕事をするのが
当たり前になるかもしれません。
(組織内弁護士を採用している企業、弁護士の人数については、
日本組織内弁護士協会のホームページを
参考にさせていただきました。
http://www.jila.jp/material/index.html)